ロスカット幅、回数、の考え方
ロスカットの幅やロスカットの回数は理想を追い求めることは出来ないと考えます。
取引を行う各個人で、証拠金額の大小、資金の余裕度、トレードで求める損益の総額、等々、個人差が
その考え方の基本に大きく影響するからです。
ここでは、一般的な個人トレーダーがフツーのトレードを行い、ごく普通の損益を期待して、日経225指数売買を行っている事を想定して考えてみます。
普通の形で普通の個人が売買を行う場合には、私個人的な意見ではその経験上、セッション毎での
最大ロスカット幅は、最大 -200 が限度かな、と考えます。
限度の最大値を -250 程度まで広げて見るのも一般的にはアリかもしれませんが、ごくフツーの
一般的個人トレーダーの金銭感覚では、-250 すなわち、ミニ1枚あたりで-25,000円のマイナスは
1つのセッション内で考えるとかなりの精神的ショックを被る損失額だと私は感じています。
ましてや、運用枚数が2枚とか5枚になると、損失金額も、-50,000円とか-125,000円とかになって
しまいます。
1つのセッションでの損失金額としては大きいと感じています。
ですので、ここは、そのトレーダーが許容できる1セッション内での最大ロスカット最大幅が-200
と仮定して話を進めます。
ロスカット幅を最大の-200に設定するとセッション内でのロスカットに達する割合はかなり少なくなります。
見かけ上では勝率がアップした感覚に感じることが多いと思います。
精神的には安心してセッション内での成り行きを見ていることが多く出来ます。
ですので、まずは、そのトレーダーが相場の成り行きの状況がかなり気にかかる、かなりの頻度で
含み損益を確認する事が多い、この様な方にはロスカット値の設定を多めにとった方が精神的には
楽な感覚で日々のトレードの臨むことが出来ると思います。
次に、ロスカット幅をかなり少なめに設定した場合では、セッション内での成り行きの状況では、
かなりの頻度で決めたマイナス数字がズラッと並んでくる場面が数多く発生します。
マイナスの総額はそれ程大きくないのでマイナスの数字の数が多く並びます。
こののような悲惨な状態の画面を頻繁に確認しているととても正常な精神状態で日々の売買を継続する事はほぼ無理だと思います。
セッション内での成り行き的な状況などあまり気にしない、最終結果の確認程度、この様な方しか
ロスカット値を小とする売買手法は向かないと思います。
ここまでは、あくまで感覚的な面からそれぞれに適したロスカット値幅の考え方なのですが、この様な
感覚や経験値だけでロスカット値を選択すべきでは決してありません。
ただ何となく、という設定では継続して満足の出来る売買結果は決して望めないと思います。
ここで最も大切なことは、正確で信頼性の高い「データ」を活用する事だと思います。
データでも、”正確”で、且つ、”信頼性の高い”データが必須条件です。
これらの条件に合致するデータとは、以前の記事にも書きましたように、投資、特に株式とかFXでの
投資活動で重要視するデータは、「フォワードデータ」が唯一です。これしかありません。
バックデータの活用や、ましてや、バックデータからのカーブフィッティング手法で求めてくる
最良値などでは、その得られる結果はとても信じられない最悪の結果となってしまいます。
ただし、この手法だと、採用時点から暫くの短期間では恐らく好結果が出る可能性もあります。
当然ですが、これは、過去の積み上がったデータを元にしてそれまでで一番良かった結果のみを求める
手法です。
ですので、結果は、採用当初は良かったが時間が経つにつれてとても採用できない結果となってしまう、という事になります。
これらの現象を避けて、最良のロスカット値を追求していくやり方とは、ですが、ここで登場するのが
「統計心理学」の考え方の咀嚼です。
統計心理学を咀嚼し株式投資等に当てはめてみると、次の様になります。
・相場の流れの中で、多くの投資家がそのセッション内で起こるべき動きを推定して投資行動を取った
結果の中で、当初の思惑の逆相場になった場合、大多数の投資家が資金面、精神面、等から
”もうこれ以上耐えられない”、ココが限界点”とされる この ”限界点” を投資家の心理で読み
取って、それを数字としてデータを積み上げて判断していく、この様な内容となります。
・文章で書くと小難しいですが、要するに、相場が思惑とは反対に動いた場面で、相場が逆転する
所の数字はどこか、これを過去のフォワード売買データから読み解く、といった手法です。
この統計心理学の考え方は一口で言ってしまえば簡単内容なのですが、これは長期間に渡って好結果のトレードを継続していく上では大変有効な手段です。
多くの投資家が考える、「相場の逆転ポイント」 となるからです。
この考え方でロスカット値を求めた値を適用してトレードを継続していくと、安定度が極めて高い事に
気づくと思います。
採用当時での結果はそれほどでも無い事もありますが、暫くトレードを継続していくとはっきりとした
差が出てくることに気づくと思います。
結論的に、最良のロスカット値の設定とは、
・トレーダーに許容できる最大値をまず決める。
・その中で、必ず、信頼でき正確なデータを用いて、個人が容認できる範囲の、勝率面、収益面、
でベストな数値を求める。
ごく一般的な個人トレーダーがベストなロスカット値を決定するには、この手法しか有り得ないと
考えられますが、皆様は如何お考えでしょうか。