【米ジャクソンホール会議結果を読み解いてみる】
北米ジャクソンホールでFRB金融政策決定会合の後で開かれるジャクソンホールでの会議の結果が世界で注目されていました。
過去の例ではFRB議長のパウエル議長の会議での発言内容がこの先のアメリカの株価、ひいては日本を含む世界の株価に大きな影響を与える事が何度もありました。
ジャクソンホールでのFRB議長発言内容は、FRB会議が終了した後決定内容にマーケットがどの様に反応したか、また、市場は結果をどの様に評価をしてるのか、金融政策の決定会合から日にちが経っているのでそれらを見極めたうえでの修正内容も有り得るからです。
世界のマーケット動向は常にアメリカのマーケット動向が主体を占めています。
今回も同様で、ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言内容が週明けの世界のマーケット、特に為替、株価、の動向に大きな影響を与えるからです。
その内容を読み解いてみたいです。
発言内容の主な趣旨は、
1)政策を調整するときが来た→「その時は来た、という可能性は高い」と発言。
2)「強い労働市場を支えるために出来る事を何でもする」と発言。
3)9月での下げげは必ず行うが、その後のタイミングとペースは、「今後得られるデータや見通しの変化、様々なリスクのバランスに依存する」といった発言。
→9月以降の利下げの次期やその利率、など一切のヒントも示さなかった。
これらが発言内容の主旨だったようです。
同会議に出席していた他のFRB高官からは、「緩やかに、整然とした利下げげのペースが妥当だろう」と言った内容の発言が数多く有ったようです。
これらを総合的に考えてみると、これまで通常の利下げ率だった0.25%の利下げを今後は複数の会合に渡って継続していくのか、或いは、2会合ごと(2ヶ月毎)に段階を追って利下げを行っていくのか、このあたりのペースが妥当だろうと考えている様だと思います。
ただ、パウエル議長自身が語った2)の内容で、労働市場が下振れするデスクが顕在化する前に先手を打っていく、とも読み取れます。
これらから、年内に最低でも合計1%以上の利下げを敢行する確立がかなり高まったものと感じています。
この様な解釈のもと、アメリカの23日金曜日の株式市場はほぼ全面高で7月中に付けた今年の最高値(4万1198ドル)を上回って取引が行われました。
週明けの日本市場も開始はこの動きに追随していくものと思います。
一方で、市場のとらまえ方、というものは常に一筋縄ではいかないもので、例えば、次の9月のFOMC会議は8月切りの雇用統計の発表後に予定されています。
今現在の雇用状況の見方はレイオフの急増などは一切見られない状況で、その様な環境の中で、例えば0.25%ではなく0.5%程度のサプライズ利下げを決定したら市場は「FRBとしてアメリカの労働市場にはリセッションが近づいているのでは、、、」との受け止めに繋がり株価急落場面が出現する可能性すらあるのです。
市場というものは、その一歩も二歩も先を読んでいくのが常です。
FRBは今後、市場との対話を綿密に継続していって貰いたいと考えています。
株価の急落は、更なる憶測を呼び、ひいては、アメリカで積み上がっている消費者ローンの延滞や破綻、中小企業の経営破綻、等にも連鎖していき、大恐慌にすら発展した過去の例もありますので、この先もアメリカの金融政策の行方とアメリカ市場の受け止め方に注視を払いながら賢く投資活動を行っていく必要がありそうです。
日本市場では今回の急落を経て未だ2番底を付けに行く様子は見られませんが、歴史は繰り返す、の例えで、数カ月後の2番底、という例も何度もあったのも事実です。
今後の日経平均株価という、「木々ではなく、森、」を見ていくのにはこの様な観点が必要なのかと考えています。
今回のジャクソンホール会議後の結果声明に関して、あくまで私の個人的な解釈です。
ご参考までです。