【日経平均株価、今回の急落場面を読み解く】
ここ一週間の間に日経平均株価は大きく下げました。
というより、まさに急落の感があります。
以下は私の考え方、見方で、プロ目線でもありませんので、この点はご考慮お願い致します。
では、まずその大幅な急落の原因を考えてみたいと思います。
(原因-1)
ここ一ヶ月程度ですが、そもそも日経平均が高止まりしすぎていた。
これは、このブログで、日経平均が4万円を超えた際に大きな違和感が有ると記載していました。
いわゆる肌感覚と言えるものだと考えます。
企業業績は確かに大きく向上しています。でも北米の企業業績と株価に比べるとどうしても
”高すぎる ” という違和感が常に残っていました。
流石に41,000を超えた時点では、あまりにも為替相場の大きな円安によるレート見直しによる企業業績の嵩上げが有ったように思います。
多くの日本企業の途中決算でドル円で155円超の換算レートを採用して企業業績を再評価していたのが私の違和感にもつながっていたと感じています。
ドル円155円とか160円とかはどう考えてみてもオーバーシュートし過ぎと感じていました。
ですので、原因の第一は、為替レートでの業績嵩上げによる違和感のある株高と思います。
(原因-2)
そもそも日経平均が高止まりしていた所に、先週末に開催された日米での中央銀行の金融政策決定会合での結果発表によるものだと考えます。
アメリカFRBの決定では、金利の据え置き、金利上げは9月度に先送り、というパウエル議長の記者会見でした。
一方。日本では日銀植田総裁の記者会見では、金利上げの決定、更に、9月移行にも金利を上げる事も容易にありえる、というニュアンスを含んだものでした。
同日に発表された経済2大国、アメリカと日本、での金融政策の方向性の大きな違い、これが株価が高止まりしていた際に大きなショックをもたらしたと考えます。
植田総裁の今回の会見内容は予想よりもタカ派色が強く出すぎていたようにも感じられました。
この会見内容と、アメリカのハト派的な発表で、為替相場が大きく円高方向に振れました。
先に述べた、多くの日本企業が円安方向に変更した決算予想の根本内容が根底から覆される結果となりました。
ドル円155円程度の円安変更が大きくずれてしまった訳です。
一方アメリカの金利は据え置きが決定されたので、両国の金融政策の乖離がより大きくなった訳です。
さらに追い打ちをかけたのが、先日アメリカで発表された雇用統計でした。
失業率が先月に比べて20%以上も悪化した数字が出ました。
この失業率と雇用統計の数字にマーケットが大きく反応した訳です。
アメリカ経済全体がすでに景気下降期に入ってしまっているのでは、FRBの利下げが遅れてしまったのではないか、この様な心理的な悪化が更に急落に追い打ちをかけた形です。
これらの要因が重なり、日本株価が大きく変動して、今回の急落となったと思います。
日経平均はここ3週間程度の間に、6,000円超の下げで、流石にこれはパニック売りが入った印象が強いです。
売りが売りを呼ぶ、まさに、落ちるナイフは掴まない、ショートカバー を巻き込んでの急落場面だっと感じています。
したがって当面は今回の急落を受けてボラティリティの高い相場が出現するも日本経済のファンダメンタルズを再確認しながら値固めのに入り、月末頃には落ち着きを取り戻した相場になるのではと考えています。
日経平均が4万円を超えた時点で、ChatGPTとかのAIにも質問を行っていましたが、一様に答えはほぼ同じで、日経平均はこのまま4万5千円を目指して上昇を続ける、という答えを返してきていました。
これも大いに違和感を感じたところではあります。
さすがの”AI”もまだネット上で溢れている情報を整理した答えを出してくる程度の印象が強く、人間の感じる、”フィーリング” とか ”違和感” という領域までにはまだまだ達していないのではないか、とも感じたりもしました。
今回の日経平均株価の急落、という一幕でした。
今後の展望を大胆に占うとしたら、私の個人的見解ですが、年末は4万円を下回る株価で終了するのではないかと考えています。
当面は今回の急落を受けて、下値の値がため、同時にドル円の為替相場の落ち着きどころの見極め、これらで35,000~Max40,000で推移し、9月企業本決算の発表を折り込みながら、年末には40,000円を下回る数字で終わる様な感じがしています。
でも、大方のプロの投資家の予想は当面の調整局面を乗り越えて年末には4万円を超えて、45,000円を目指す相場になる、と強気の見通しが圧倒的に多いのも事実です。
さてさて、この先の相場、皆様はどの様に読み解きますか?