「最適な利益確定幅の考え方」

利益確定の幅、これも先回の記事のロスカットの幅と同様に突き詰めていくと難しいものです。
よくこの様な方がいます。
(自動売買を利用。利益確定幅を、例えば、+200円と設定したとします)
あるセッションで相場がひとまず終了。
相場の流れを振り返って売買結果の検証。
相場の最大利益方向のピーク値と自分が設定していた利確値を比較。
分足で観ると、あと10円で到達出来ていた、あと15円で設定の利確値を抜けていた。
そうか、利確設定幅をあと15円下げていたら利確できたのか。
いや、もう少し検討してみよう、
設定の利確値幅を80円下げていたら相場の流れの中で3回も利確値に到達していたのか、
80円x3=240円の利益確定が出来ていたのか、
そうか、最近の相場では利確値設定を+120円付近で考えれば好成績になりそう。
その後、利益設定幅を+110円に下げて次からの相場に挑みます。
セッションが終了しその場は利確できて終了。+110円の利益確定。バンザーーイ。
次以降のセッションでも何回か利確できて週末を利用して結果検証。
勝率は60%付近まで上昇。利確値変更で大満足。
天才的才能があるのか!!
勉強熱心な彼は更に利確値などを変更してみて検証続行。
ちなみに元の設定値+220円で検証。
驚くことに週間トータル利益はこちらの方が遥かに大きいことに気づく。
ただ、勝率で見ると50%を下回っている。
どうした事か???
色々検証してみると益々わからなくなる。
精神的に不安定のまま次週のトレードに突入。
これでは、安定的なトレードにおいての ”勝ち” はとても見込めません。
大変極端な例ですが、この様なトレーダーの 彼、彼女、は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
何故こうなってしまうのか??
賢明なな読者はおわかりだと思います。
まず、このトレーダーは利確値に関して自分自身が ”確信できる利確値幅” が無いのです。
何故持っていないのか? 確信が持てていないのか?
これは、ロスカット値や、ロウカットの上限回数設定なども同じことです。
結論は、自分のトレードスタイルが全く確率できていないのが要因でなのです。
システムトレード、自動売買トレードでは致命傷です。
では、何故理解できていないのでしょうか?
理由は簡単。
日々、きちんとした正確な売買結果のデータを取って、積み上がった多くのデータを元にした設定値の検証、というキチンとしたトレード開始以前の作業が抜け落ちている為です。
相場に余計な ”自分よがりな脳の判断” は一切不要。
これは、「裁量売買には魔物が棲む」でもアップしています。
このトレーダーはこれらを排して機械的判断を行わわせるシステムトレードを選んだ、ここまでは正解です。
でもその次に大切な作業が全く抜け落ちたまま実践トレードに突入してしまっている点です。
あるいは、その大切な作業を行わないで(サボって!??)トレードを開始している点です。
実践トレードに入る前に、入念なデータ検証は絶対に必要です。
ただ、正確なデータを使用する事が必要です。
特に自動売買等のシステムトレードを選択した場合は必須事項です。
これを抜きにして月間トータルなどで ”勝ち続ける” 、この様な事は夢のまた夢、まさに夢物語と言えると断言できます。
私は、色んなところで、システムトレードで勝てている(期間は問わずで)トレーダーさんはこの作業が出来ている方たちばかりと信じています。
すくなくとも私の過去の長いトレードの中で、この作業無くして、本当の意味で ”勝てる” 方法など存在していない、と断言できるからです。
これほどまでに、正確なデータの積み上げ、これらの膨大なデータから検証を重ねる作業、(これは
決してバックデータを使用したカーブフィッティング手法での設定値などを確定作業とは異なりますので注意です)これ無くして、安定した月間ベースでの ”勝ち” など到底無理です。
今は負けていなくても、また、一ヶ月は負けなくても、いや、3ヶ月は幸運にも負けなくても、その先の ”幸運の女神” はトレードに於いては存在しません。
きちんと、必要な、いや必須の作業をこなして、自分なりに確信できた初期設定値をシステムトレードの約束事として採用した形でのトレードを 「粛々と」 行えるトレーダー以外には、月間ベースとかで”勝ち続ける” 事はまさに「絵に描いた餅」に等しいと思います。
次回以降では、この、システムトレード/自動売買トレードには必須条件の 「正しいデータ取り」の方法、それに基づいた「正しいデータ検証からの初期設定値確定作業」、また、「短時間で簡単にこの初期設定値確定を行う方法」とかの記事をアップしていきますのでご期待下さい。